マテリアリティとSDGs
マテリアリティ(YAMADAが解決すべき重要な社会課題)の特定とSDGsマッピング
当社が本業を通じて持続可能な社会を実現するための社会課題の解決が、当社のサステナビリティへの取組みとなります。どのような社会課題を解決することが当社そして社会の持続可能な成長を実現するのかを特定し、それを実践することが求められると理解しています。そのため、当社が解決すべき重要な社会課題としてのマテリアリティを特定し、その解決に向かうための方針やガイドラインを整備することから始めました。ここでは、当社がマテリアリティを特定したプロセスを示すことで、当社のサステナビリティへの取組みの成り立ちを示し、全てのステークホルダーに当社の方針を理解頂くことを目的としています。
マテリアリティの特定プロセス
- 3つの検討軸の洗い出し
当社が事業を継続する上で重視すべき軸について検討しました。
第一に、お客様の課題を解決することが当社の製品を選び続けて頂ける前提となります。またトップメッセージにもある通り企業としての社会的影響力を認識しその責任を果たすこと、そして私たち自身の経営基盤を強化すること、この3つが軸になると考え社内で合意しました。
3つの検討軸:お客様の重要課題、社会の期待、持続可能な経営基盤 - 検討軸ごとにポイントの洗い出し
次に、社会課題を抽出する上で、3つの検討軸ごとに社会から求められるポイントを検討しました。ここまでのプロセスは管理本部主体で行い、次のプロセスでディスカッションをするたたき台として使用しました。 - YAMADAが解決すべき重要な社会課題の洗い出し
検討ポイントに対して、社内の各部門から選出したメンバーにより、当社の事業特性、つまり生活をより豊かにする製品をつくる製造業が責任を持って解決に当たるべき社会課題の洗い出しを行いました。
私たちの製品を提供する過程が持続可能な成長に寄与するなら、その製品を買って頂くお客様や使って頂くエンドユーザーもまた、その取引や生活する上での製品使用において持続可能性の向上に貢献して頂けるものと考えています。
そのような観点で、当社が本業を通じて解決すべき社会課題を選定メンバーにおいてディスカッションして洗い出しました。
YAMADAの事業を通じた社会課題解決
No 検討軸 検討ポイント YAMADAの事業を通じた社会課題解決 1 お客様の重要課題 高品質な製品の提供 - 豊かな社会の実現、社会の進歩に貢献する製品の開発
- よい製品を長く使って頂くことによる生活水準の向上
2 安心安全の提供 - 生活における健康と安全の維持
3 環境に配慮した製品の提供 - サプライチェーンでのCO2削減による地球温暖化抑止
- 材料削減や再生可能材料への転換による地球資源の有効活用とプラスチックリサイクル促進および使用量削減
- 特定環境負荷物質の使用制限による環境負荷低減
4 廃棄物量の削減 - 電子化推進による同梱物の廃棄量削減
5 社会の期待 サステナブル調達の実践 - 公正公平な取引によるサプライチェーン強靭化
- 人権、労働、腐敗防止を徹底した取引によるサプライチェーンリスク低減
6 温室効果ガス排出量の削減 - サプライチェーンでのCO2削減による地球温暖化抑止
7 地球資源の有効利用 - 太陽光発電によるクリーンエネルギー利用促進
- FSC認証紙の使用による持続可能な森林管理
8 水資源の有効利用 - 工場での水循環システムによる取水地域の水ストレス軽減
9 自然との共生 - 事業関連の社会貢献活動を通じた水辺の環境保全
10 地域経済への貢献 - 地元地域への貢献活動を通じた地域社会の価値向上
- 学生インターン受入による若者の人材育成への貢献
11 持続可能な経営基盤 従業員の健康と安全 - 長く健康に働ける職場を提供することで知見を有する人材確保を通じた経営基盤の強化
12 従業員の労働条件/キャリア形成 - 働く意欲を増進することで知見を有する人材確保を通じた経営基盤の強化
- お客様にとって最善のサービス、製品、技術、ソリューションを提供していくことで、お客様に成功/満足/感動をお届けする努力のできる人材育成
- 技術スキルに限らず、培ってきた経験のすべてを発揮できる人材育成
- ともに挑戦し、成長することに価値を見いだせる人材育成
13 14 団体交渉権の確保 - 労働者としての基本権を尊重し、安心かつ意欲的に働ける職場作りによる経営基盤の強化
15 強制/児童労働禁止 - レピュテーションリスク等を下げ取引継続または拡大できる経営を担保
16 Diversity, Equity & Inclusion - 多様性が新たな発想や魅力的な製品づくりに繋がるような職場づくりによる持続的成長の源泉となる経営基盤の強化
- 様々な年齢、国籍、経歴、価値観、家庭環境等を持つ社員がそれぞれの個性を生かしながら充実した働き方ができるよう社内環境や制度を構築
17 ハラスメント防止 - 安心して働ける職場を提供することで知見を有する人材確保を通じた経営基盤の強化
- マテリアリティマップの作成
YAMADAが考慮すべき検討ポイントに対して取組む課題を洗い出したところで、マテリアリティマップによる重要度の認識合わせを行いました。いずれも取組みが必要である認識のもと、優先して取り組むべき重要課題を特定しました。
- マテリアリティの決定
これまでのプロセスを経て6つのマテリアリティを決定しました。それぞれについて、社内でのディスカッションの内容を踏まえて、当社がどのように課題を解決するのかを定義して社内外への周知を図ります。
YAMADAのマテリアリティ
6つのマテリアリティとその定義を説明します。
- 品質追求によりお客様そしてエンドユーザーの生活水準向上、社会の進歩に貢献する
YAMADAは、提供する製品が人々の生活を豊かにすることに貢献できると考えています。そのためには、YAMADAが持つ技術力、開発力を常に磨き、イノベーションによってお客様に安心・安全とさらなる満足を感じて頂くことで、エンドユーザーの生活水準の向上と社会の進歩に貢献します。
人々が生活する上で、品質不良により健康を害し安全が脅かされるケースが後を絶ちません。生活を豊かにするために購入した製品やサービスが脅威となると、生活の基本である安心が損なわれ、進歩はおろか生活の質は後退してしまいます。
製造業としての責任を果たすため、常に品質を追求することが重要であると認識しています。それが顧客満足度に繋がり、YAMADAの製品を安心して使っていただくことで当社とお客様との継続的なコミュニケーションからイノベーションが生まれ、ひいては当社の製品が社会の進歩に貢献するものと考えています。
- サプライチェーン全体で地球環境の保全に配慮して環境負荷を低減する
YAMADAは、サプライチェーン全体を通して地球環境の保全に配慮します。特に、世界共通の課題である温室効果ガス排出量の削減や地球資源の有効利用を通して、地球環境の負荷を低減し、地球資源から製品を生み出している企業として持続可能な成長に責任を持って取り組みます。
将来の気候変動により地球上での生命活動が脅かされることになれば、多くの人にとって今まで通りの生活ができなくなるでしょう。資源の枯渇によっても、同じ資源が使えず品質が落ちコストが上がることも十分考えられる未来です。
私たちもまた気候変動や資源枯渇に影響を与えている一員との認識のもと、その影響を最小限に抑えるべく、当社そして当社を構成するサプライチェーン全体で環境保全に取り組んで行くことが重要であると認識しています。そしてYAMADAの製品を使って頂くお客様も、YAMADAを選のでいただくことで環境負荷低減へ貢献することに繋がるよう、事業を通じて取り組んでいきます。
- 人権や多様性を尊重して企業としての責任を果たし、経営基盤を強化する
YAMADAは、事業を通じて関わる全ての人の人権や多様性を尊重します。当社の従業員だけでなく、取引のあるサプライヤー、定期的なコミュニケーションを行う地域社会の人たちとお互いを尊重し合う関係を作り、将来に渡って良好な関係のもとで事業活動を継続できるよう努力します。
当社内のみならず、当社のサプライヤーにおいて人権侵害が明るみになった場合、エンドユーザーは当社の製品が人権侵害の上に作られたと認識しても無理はありません。企業は時に、個人に対して強力な権力を持つことを認識した上で、人権侵害や多様性を無視したハラスメントを無くす努力を継続することが社会的責任であると考えています。
そして、当社と関わる人々とが尊重し合う風土の中でこそ、新たな発想が生まれ、魅力的な製品づくりに繋がると確信しており、当社の経営基盤を強化することにも繋がります。人権や多様性の尊重が事業を持続的に成長させる上で欠かせない要素として認識し、それが守られるよう取組みを進めていきます。
- 社員の健康と安全を確保して企業としての責任を果たし、経営基盤を強化する
社員の健康と安全は、企業にとって最も重要な要素です。YAMADAもまた、当社の社員が最も大切であり、企業として求められる最大限の努力を講じます。それが経営基盤を強化し、ひいてはお客様に満足していただける製品を提供し続けることに繋がると信じています。
当社の社員は、人生の時間の中で大きな割合を当社の事業に費やしています。それゆえ、社員は個人的な生活に加えて、事業に費やす時間においても健康と安全が守られる必要があると考えています。法令で定められた義務は当然のこと、それ以上に当社の社員として働くことに喜びを感じてもらえる努力をし続けることが重要であると考えています。
どのような働き方であれ、YAMADAの一員である以上、当社の事業に全力で向き合えるよう企業側として社員の健康と安全を第一に考え、必要な改善を積み重ね、豊富な知見を有した社員によって経営基盤を強化できるよう取組みを進めていきます。
- 地域社会とのコミュニケーションにより、お互いの発展に向かって努力する
YAMADAが事業継続する上で、地域社会との共生は欠かせません。地域の人たちとのコミュニケーションを深め、その土地で事業を行う意義を双方とも認識することが、私たちの持続的な成長を後押しするものと考えています。
地域の環境を破壊するような企業だったら、地域の人から恨まれるような企業だったら、事業継続は難しいでしょう。地域から人材の供給を受け、地域経済に貢献し、地域とともに発展することができる関係こそが持続可能な成長を達成できると理解しています。
私たちは積極的に地域に関わり、当社の事業で地域に役に立つことがあれば行動します。また定期的なコミュニケーションの場を設け、双方にとっての発展可能性を常に追求します。そのような活動を継続する上に、当社の発展があると信じています。
- ガバナンスを強化することでリスク低減および発生時のインパクトを最小化する
YAMADAは、事業継続することでその社会的責任を果たすことが重要であるとの認識のもと、事業運用上、考え得るリスクを特定し、リスク発生に備えておくことが責任ある経営であると考えています。そのため、ガバナンスを強化して常にインパクトを最小化する努力を続けていきます。
取引上の腐敗や汚職、情報セキュリティインシデントなどが発生した場合、取引先様にご迷惑をかけ、エンドユーザーを裏切り、ひいては事業継続が難しくなるケースにも発展します。事業活動を行う上で、発生しうるリスクへの対策を常にとることが重要であると認識しています。
当社の経営層だけでなく、事業に当たっている社員一人一人がそのリスクを認識し、対応することが必要であるという認識のもと、規範を定め教育を行い、事件・事故を未然に防ぐ最大限の対策を行うとともに、発生してしまった際の対応を予め定めておくことで、事業継続のための体制を今まで以上に強化していきます。
マテリアリティとSDGsマッピング
それぞれのマテリアリティに関するYAMADAの取組みによって、持続可能な開発目標であるであるSDGsが掲げるターゲットの達成に寄与できると考えています。以下に、特定したマテリアリティとSDGsの169のターゲットとのマッピングを示します。事業活動を通した1つ1つの取組みがこれら目標達成に繋がることを意識し、企業としての社会的責任を果たしていきます。
- 品質追求によりお客様そしてエンドユーザーの生活水準向上、社会の進歩に貢献する
12.8
2030年までに、人々があらゆる場所において、持続可能な開発及び自然と調和したライフスタイルに関する情報と意識を持つようにする。3.9
2030年までに、有害化学物質、並びに大気、水質及び土壌の汚染による死亡及び疾病の件数を大幅に減少させる。 - 品質追求によりお客様そしてエンドユーザーの生活水準向上、社会の進歩に貢献する
13.1
全ての国々において、気候関連災害や自然災害に対する強靱性(レジリエンス)及び適応の能力を強化する。13.3
気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警戒に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する。12.4
2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物資質や全ての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。12.2
2030年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する。12.5
2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。7.1
2030年までに、安価かつ信頼できる現代的エネルギーサービスへの普遍的アクセスを確保する。15.2
2020年までに、あらゆる種類の森林の持続可能な経営の実施を促進し、森林減少を阻止し、劣化した森林を回復し、世界全体で新規植林及び再植林を大幅に増加させる。 - 人権や多様性を尊重して企業としての責任を果たし、経営基盤を強化する
5.1
あらゆる場所における全ての女性及び女児に対するあらゆる形態の差別を撤廃する。5.2
人身売買や性的、その他の種類の搾取など、全ての女性及び女児に対する、公共・私的空間におけるあらゆる形態の暴力を排除する。5.5
政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参画及び平等なリーダーシップの機会を確保する。10.2
2030年までに、年齢、性別、障害、人種、民族、出自、宗教、あるいは経済的地位その他の状況に関わりなく、全ての人々の能力強化及び社会的、経済的及び政治的な包含を促進する。8.5
2030年までに、若者や障害者を含むすべての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、ならびに同一価値の労働についての同一賃金を達成する。8.6
2020年までに、就労、就学及び職業訓練のいずれも行っていない若者の割合を大幅に減らす。 - 社員の健康と安全を確保して企業としての責任を果たし、経営基盤を強化する
3.4
2030年までに、非感染性疾患による若年死亡率を、予防や治療を通じて3分の1減少させ、精神保健及び福祉を促進する。3.8
全ての人々に対する財政リスクからの保護、質の高い基礎的な保健サービスへのアクセス及び安全で効果的かつ質が高く安価な必須医薬品とワクチンへのアクセスを含む、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を達成する。 - 地域社会とのコミュニケーションにより、お互いの発展に向かって努力する
3.9
2030年までに、有害化学物質、並びに大気、水質及び土壌の汚染による死亡及び疾病の件数を大幅に減少させる。4.4
2030年までに、技術的・職業的スキルなど、雇用、働きがいのある人間らしい仕事及び起業に必要な技能を備えた若者と成人の割合を大幅に増加させる。11.6
2030年までに、大気の質及び一般並びにその他の廃棄物の管理に特別な注意を払うことによるものを含め、都市の一人当たりの環境上の悪影響を軽減する。14.1
2025年までに、海洋ごみや富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する。 - ガバナンスを強化することでリスク低減および発生時のインパクトを最小化する
8.7
強制労働を根絶し、現代の奴隷制、人身売買を終らせるための緊急かつ効果的な措置の実施、最悪な形態の児童労働の禁止及び撲滅を確保する。2025年までに児童兵士の募集と使用を含むあらゆる形態の児童労働を撲滅する。16.2
子供に対する虐待、搾取、取引及びあらゆる形態の暴力及び拷問を撲滅する。16.4
2030年までに、違法な資金及び武器の取引を大幅に減少させ、奪われた財産の回復及び返還を強化し、あらゆる形態の組織犯罪を根絶する。16.5
あらゆる形態の汚職や贈賄を大幅に減少させる。