環境マネジメントガイドライン
はじめに
私たちの社会は、ますます環境への負荷が増加しています。これは、私たちが生きるために必要な資源の枯渇、温暖化、大気汚染、海洋汚染など、多くの問題を引き起こしています。私たちは、これらの問題に取り組むために、環境に配慮した取り組みが必要であることを認識しています。
当社もまた、地球環境に責任を持たなければなりません。環境保護に対する責任を果たし、環境に配慮したビジネス活動を行うことは、企業の社会的責任であり、競争力を保つために必要な要素の一つでもあります。
この環境マネジメントガイドラインは、私たちの企業が環境に配慮したビジネス活動を行うための指針となります。私たちは、このガイドラインを実践することで、環境への負荷を軽減し、地球環境に貢献することを目指します。
適用範囲
本ガイドラインは、山田電器工業株式会社およびYAMADAグループを構成する関連会社に適用します。
データの開示・報告方法
各目標を当社重要KPIとして定量的な経営課題に組み込んだ上で、国際的な報告フレームワークであるGRIスタンダードに準拠し、サステナビリティレポートを中心にデータを纏め報告します。
ガイドライン本文
温室効果ガス(GHG)排出量の削減
- GHGモニタリングの概要
当社は、2020年以降の企業活動に伴うGHG排出量をモニタリングします。GHG排出量の算定には国際標準であるGHGプロトコルを用い、可視化した結果の社内外への情報発信に活用する。 - 対象カテゴリ
サプライチェーン全体でのGHG排出量削減に向け、自社排出量のみならずサプライチェーンにおける排出量も算定対象とする。但し、GHGプロトコルうち当社の事業活動にとって重要なファクターとなる排出量を算定することを目的として、次のカテゴリを算定対象とする。今後、この対象範囲を広げ、精度向上に努める。Scope1 事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス) Scope2 他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出 Scope3カテゴリ1 原材料の調達、パッケージングの外部委託、消耗品の調達 Scope3カテゴリ4 調達物流、横持物流、出荷物流(自社が荷主) Scope3カテゴリ9 出荷輸送(自社が荷主の輸送以降) - ISO要求事項に相当する算定
算定に当たっては、ISO14064(温室効果ガス排出量マネジメント標準)での下記の要求事項を満たすよう手順化を行い、算定結果に対して説明可能性を担保する。No タイトル 内容 当社の取組み方針 1 適切性 目的に沿った算定であること 求められる対象組織、対象カテゴリで算定を行う
組織は本社と製造拠点、カテゴリはScope1/2/3カテゴリ1/4/9
製造業かつ取組み開始時点として主要なカテゴリを押さえる2 完全性 漏れなく算定していること 各データ収集拠点へ算定目的を伝え、チェックを行う
管理本部によるデータ収集方法と算定方法のチェックを行う3 一貫性 同じ方法で算定していること YAMADAでの説明可能な算定方法を定義する
定義した算定方法に基づき、算定手順を含む運用手順書を作成する
運用手順書に則ったモニタリングが実施されていることを管理本部でチェックする4 正確性 可能な限り正確であること 収集データ分析を通じて外部の知見を入れて算定方法を定義する
運用手順書に則ったモニタリングが実施されていることを管理本部でチェックする5 透明性 相手が意思決定できること ステークホルダーへのメッセージに沿った報告書の公表を行う なお、完全性に関して、算定時点で現実的な範囲で活動量を把握することに努め、その結果、全体ボリュームに満たない場合、事業において重要なボリュームを占めることを確認の上で、その範囲で算定を行う。またその際、理由を説明し、各拠点で判断した場合は本社の管理本部に報告する。この場合、今後の精度向上に努力し、計画的に算定対象を拡大する。
- 算定運用サイクル
各拠点で活動量を収集し、運用体制に基づき算定する活動を基本的に月次サイクルで行う。但し、拠点の事情等で異なるサイクルを定義する場合は、本社の管理本部の許可を得る。 - データの確からしさの担保
各拠点の活動量を集計する担当者は、算定作業において求めた値の確からしさをいつでも証明できるよう、その証跡もしくはデータを管理本部の求めに応じて提出できるよう用意しておく。(例えば、電力消費に関する電力事業者からの請求書、基幹システムの調達実績データや出荷実績データなど)また、その算定方法についても手順で定める以外の方法をとる場合には管理本部の確認を要する。 - 集計および公開
基本的に、当社として年度ごとに集計し、適切な方法でステークホルダーに対して公開する。但し、会社の事情等でやむを得ない場合、理由を説明の上で非公開とする場合がある。 - 経年比較分析
管理本部により、2020年以降の算定結果を経年比較した上で公開基準に則り公開する。比較分析はGHGプロトコルのカテゴリ別や、当社製品の納入先顧客別で行う。今後、外部環境の変化に応じて分析軸を追加・変更する場合がある。 - 削減目標
環境方針に基づき、2040年までにネットゼロを目標とする。そのため、GHG排出量のモニタリングを行い、比較分析の上で必要な削減施策を立て、削減シミュレーションを行い、YAMADAグループ一丸となって目標達成に向けて取り組みを進める。
地球資源の効率的な活用
- 材料削減や再生可能材料への転換
事業活動を通じた省資源への実践として、下記の取組みを行う。- 製品の軽量化に向けた要素開発の実施
- 再生材利用促進
- 塗装材料の変更(メタリック塗装からメタリック樹脂へ)
- 持続可能な森林管理の為にFSC認証紙の使用
- 包装材の材質変更(ブリスターから紙箱へ)
- プラスチックリサイクル促進
YAMADAの製品特性において特に社会課題解決に必要な要素の1つに、プラスチック材料の削減が挙げられる。その実践として、下記の取組みを行う。- バージンプラスチック使用量の削減
- 再生プラスチックへの転換の促進
【定量目標】
以上の目標実現に向け、各工場において購入したプラスチック樹脂材に対する再生利用率
(*)を2030年度に5%以上にすべく活動を進めて参ります。
(*)プラスチック樹脂材再生利用率
=再生プラスチック数量(t)/年間プラスチック樹脂材購入数量(t) - 水資源の有効活用
製造業として責任ある水使用を実現するため、製造工場における水ストレスの軽減に努め、地域の水環境の恩恵への感謝として社会貢献活動を行う。その実践として、下記の取組みを行う。但し、新たな設備投資に当たっては本社との協議により戦略的な判断の上で実行する。- 自社工場におけるクリーンリングシステム導入
- 自社工場における水循環システム導入
- LOVE BLUE活動への参加
- 漁業組合と共同で釣り場の清掃の実施
【定量目標】
以上の目標実現に向け、各工場において2030年度の取水量(㎥)、排水量(㎥)、総水消費量(㎥)を2020年度比20%以上削減すべく活動を進めて参ります。
- 森林その他資源の保全
森林その他資源の保全として、下記の取組みを行う。- 太陽光発電での本社屋電力使用
- FSC認証紙の使用
廃棄物の最小化
廃棄物は、資源の無駄遣いだけでなく、処分やその物流にかかるGHG排出量を増加させ、地球環境に負荷をかけることを認識し、その適正な管理を行い最小化に努める。
化学物質の適切な管理
製品の製造過程において含まれる、あるいは使用される化学物質に関して、製造者として責任を負い、取引関係上の各国法令を遵守する。また、自社外の大気、河川、土壌等の環境影響を考慮し、各国法規制に従って適切に管理を行う。そのために法規制で求められるモニタリングを行い、異常が認められた場合には即座に必要な報告を行う。
結び
当社は、このガイドラインを実践することで、環境保護に貢献し、地球環境の保全に努めます。私たちの企業が、地球環境と共存する持続可能な社会の実現に向け、一層の取り組みを行ってまいります。